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石川〜富山の観光列車を1日で3つ乗ってきた

タイトルが雑だがその通りなので……
自分の中で開催していた秋の大乗り鉄キャンペーンの続きとして、2019/11/17(土)にあいの風とやま鉄道の一万三千尺物語とJR七尾線花嫁のれん、そしてのと鉄道ののと里山里海号の三つに乗りに行ってきた。それぞれコンセプトも体験も全然違う3列車を1日に詰め込んだのは我ながら頑張った。
富山に親戚が住んでいる都合で富山〜石川あたりは昔からしばしば訪れる機会があったんだけど、観光列車でガイドさんの話を聞きながら各地を巡っていくのはいつもと違って新鮮な感じだった。

写真を並べるついでに日記を書くくらいのテンションで書きます。




一万三千尺物語

先攻はあいの風とやま鉄道が今年から運行している観光列車の一万三千尺物語。富山駅を起点に富山県内を往復してまた富山駅に戻ってくる列車で、車窓の景色を楽しみながらお寿司や懐石に舌鼓を打つダイニング列車。しっかりしたお料理とセットのツアー扱いで、お値段も1万2000円としっかりしている。

www.13000story.com

予約はインターネットから座席も選びながらできるので分かりやすくて便利。ツアー扱いということもあってか、最終日程表や近隣のお店の割引券などが1週間前くらいに送られてきた。ちなみにぼくは旅程の都合で使わなかったのだけど、当日1日有効なあいの風の1日フリー乗車券もついてきたので、そのまま沿線を観光したりする場合はお得そう。

午前の便である1号は富山駅出発が11時なので、京都から行こうとすると朝7時半くらいのサンダーバードに乗ることになる。朝には弱いのでなんとかサンダーバードに乗ると後は爆睡。気付くと金沢に着いていたので新幹線に乗り換えて富山駅へ。あいの風の改札内で受付をしてホームに上がってほどなく列車が入線してくる。



顔立ちこそ見慣れた413系のままだけど、塗装やヘッドマークの時点で特別感がすごい。大きな窓、そしてそこから見える席の様子は流石観光列車〜という感じ。

出発までは少し時間があったのでこうやって電車の写真を撮っていたのだけど、流石観光列車だけあって、車内ガイドさんがホームに待機していて記念パネルと写真を撮ってくれたりもした。
車内は氷見杉を使ったあたたかみのある雰囲気で、そしてダイニング列車なので既にお食事に向けてお箸や器が待機している。


ちなみに、写真は撮りそびれたのだけど、3両編成の真ん中の2号車には厨房が入っていて、乗車してすぐ覗きに行った時にはすでにお寿司が続々握られていく真っ最中だった。電車の中でお寿司が握られているというのも面白い。

添乗している運行ガイドさんが歓迎のご挨拶、車窓の様子などをアナウンスしてくださる中で電車は富山駅から出発する。ウェルカムドリンクを飲んでると割と早々に料理のコースが始まる。この日は午前中の1号に乗ったので料理はお寿司。

メニューはこういう感じ。茶碗蒸しが先行して出てきて、続いてメインのお食事が登場。富山らしい品揃えのお寿司はどれも美味しいし、あとお刺身と白エビの揚げ物(天ぷらでいいのかな…)もすごくよかった。


お料理が出てきた瞬間に突然お酒飲まなきゃと思い立ったのでお酒も頼んだ。お料理的にはあきらかに日本酒〜という感じなんだけど、日本酒は1.5合でお酒に強くないぼくには少し多いな……と思ってビールにしてしまった。

本来この列車は海側山側それぞれの景色を楽しむという側面もあるのだけど、当日は空模様がイマイチということもあって、山側の景色つまり立山はあまり綺麗に見えなかった。ただ、冒頭にも書いたように、訪れたことあるとかなんとなく知ってる沿線各地をガイドさんのアナウンスを聞きながら巡っていくのはおもしろかった。普段普通電車で通ってる区間だったり、電車では行かないが車で通りがかる駅周辺は見覚えがあったし、沿線自治体のエピソードや名物の話を聞くのもよかった。
また、富山駅の近くでは車両基地横を通るのでJR貨物とあいの風それぞれのいろんな車両が見れたり、けっこう長い区間富山地方鉄道と併走していたりと、鉄的な意味でいい物が見れたのもよかった。

鉄的な意味で、といえば、今回乗った1号は富山駅を出発して泊駅で折り返して富山駅に戻るのだけど、折り返す泊駅では西行き(あいの風鉄道)の一万三千尺物語と東行き(えちごトキめき鉄道)の列車が同じホームに並んでいるちょっと珍しい様子を見た。連結するわけでもない別々の2本の列車が同じホームの線路上に並んでる様子は普段なかなか見られないので少しビックリしてしまった。


折り返しの帰り道ではコーヒーと和菓子が出て、行きで見た景色を再びゆっくり眺めていると富山駅に戻ってきて一万三千尺物語の旅は終了。泊のような東の端の方まで乗ったことはなかったので、そのあたりまでの車窓を見れたのはおもしろかったし、何より富山らしいネタの並んだお寿司はたいへんおいしかった。ごちそうさまでした。

そうそう。途中の停車駅で列車の外に出たところ、お寿司を握っていた板前さんと偶然会って、お寿司美味しかったですご馳走様ですと挨拶したあと少し世間話をする機会があった。別にたいした話をした訳でもないのだけど、板前さんも同じ列車に乗って移動するからこそ、という感じのコミュニケーションが発生したのはおもしろかった。

花嫁のれん

再び新幹線に乗って金沢駅に向かって、今度はJR七尾線の観光列車である花嫁のれん号に乗る。金沢駅和倉温泉駅の間を結んでいて、輪島塗とか加賀友禅、そして金箔をイメージしたインパクトある外装内装の観光列車。


www.jr-odekake.net

今回乗ったみっつの中では一番予約取るのが厳しかった列車で、発売日の朝10時にインターネット予約に飛び込んでなんとか席を取れた。ちなみに日によっては4人掛け席の残り1席とかならしばらく空席が残ってることもありそうだった。ちなみにJR西日本のインターネット予約だと座席をきちんと選ぶことはできないので、どの席があるのか確かめたかったらみどりの窓口まで赴く必要がある。

また、事前予約すれば列車ごとに決められた食事を車内で食べることが出来る。ぼくが乗った3号はスイーツセットだった。こちらはインターネットで買えなさそうだったのでみどりの窓口で買った。

金沢駅では専用のホームから乗車することになる。夜に遠くから撮った写真しかなくてこれではあまり伝わらないけど、発車前はこのホームにのれんがかかった上で、和装のアテンダントさんが案内してくれるので出発時点から雰囲気が出ている。ぼくは金沢駅8番らーめんでラーメンを食べていたところ発車ギリギリになってダッシュしたので*1ホームを堪能することはできなかった……


満席で人で一杯だったこともあり車内の写真もほとんど撮れてないので、車内に関しては上記のホームページの写真を見てもらうと良いのだけど、内装も和!!!って感じ。
スイーツセットではムースとコーヒーと、車内で食べるというよりはお土産として持ち帰る焼き菓子のセットが出される。ちなみに焼き菓子のセットは売店で単体で買うことも出来そうだった。ムースもおいしかったし、焼き菓子のバウムがふわふわとしていてすごくおいしい。持ち帰って家でおやつとして美味しく食べています。


七尾線は特筆するような派手な沿線風景ではないので、車内の雰囲気やスイーツを楽しみながらのんびりと車窓を眺める楽しみ方になる。ぼくは2人掛けの席で知らない方と相席だったので時折雑談をしつつ、小一時間かけて和倉温泉までの時をゆったりと過ごした。


のと里山里海

当初の予定では上記のふたつの列車に乗って和倉温泉で軽く温泉でも入ってから帰る予定だったのだけど、直前になって、和倉温泉からさらに先ののと鉄道を走る観光列車があることに気付いてしまった。しかもこののと里山里海は花嫁のれんと接続しているので非常に乗り継ぐのに都合が良い。

satoyama-satoumi-go.net

お料理つきのプランは事前に予約しないといけないのだけど、空席があれば当日でも乗車自体はできるということで、花嫁のれん乗車前に電話で空席状況を確認してから和倉温泉駅で飛び込みで乗車することにした。この結果和倉温泉で過ごす時間はほとんどなくなったがまぁ……

和倉温泉駅花嫁のれんがついた瞬間は一瞬すごく強い雨が降っていて少し心配になったのだけど、腹をくくったということで乗り込む。席に余裕があったということもあってか、広い窓に向かった4人掛けくらいのベンチ席を占有できる贅沢な席に案内された。幸い雨はすぐにやんだ。写真は乗車直前に撮ったので雨で不穏な雰囲気になってるけど、雨が強かったのはこの瞬間だけだったのでセーフ。

のと里山里海はのと鉄道の終点である穴水駅まで1時間くらいかけてゆっくり進む観光列車なんだけど、車窓から見える海の景色がすごく綺麗だった。この日乗った3つの列車の中でも一番だったと思う。特に景色の良いスポット何カ所かでは一時停車するので景色を堪能できる。写真も撮ったのだけど、しかしこの写真ではあまり伝わらないな……


また、和倉温泉駅を出てすぐの能登中島駅では、昔のと鉄道で運行されていた鉄道郵便車が展示されていた。車内の様子も雰囲気よく再現されていてよかった。


ちなみに、のと里山里海は運賃とは別に乗車整理券代金がかかるのだけど、これに乗ると乗車駅まで戻る帰りの乗車サービス券がついてくる。乗車整理券の料金よりも帰りの乗車券運賃の方が高いので、のと鉄道で往復する前提ならこの乗車整理券代金は実質無料である。これはほんとうに実質無料。

その他、沿線や行き帰り

観光列車自体の話はこれで終わり。後はおまけとしていくつか。

穴水駅には、かつてのと鉄道でのと恋路号として走っていたNT800形がホームに展示されていた。昔の鉄道雑誌や本で見たことのあった車両と対面できたのは嬉しかったけれど、流石に疲れを感じる保存状態だったのと、やはり列車は現役のうちに見ないとね、という気持ちもあって複雑な気持ちになったりもしていた。

のと鉄道はアニメ「花咲くいろは」に少し出てきたということで、劇中の湯乃鷺駅のモデルとなった西岸駅では湯乃鷺駅の駅名標が出ていたり、ラッピング列車が走っていたりする。のと里山里海に乗ってる途中に見かけたのだけど、けっきょく穴水からの帰りの列車はこのラッピング列車がやってきて乗ることになった。車内も花咲くいろはのイラスト?ポスター?が掲示されていていい雰囲気。


時系列的に入れる場所がなくて割愛していたのだけど、朝に富山駅で一万三千尺物語に乗る前に富山駅に乗り入れているほかの列車も軽く眺めた。富山地方鉄道の駅にはちょうど元京阪電鉄の車両が停まっているところで、京都で見たことのある塗色の2階建て車両が富山で見れておもしろかった。


また、富山駅近辺では路面電車が2系統(富山地方鉄道と、元富山港線だったライトレール)走っていて、そのうち富山地方鉄道の駅はJRの駅から近いので眺めていたのだけど、ちょうど来年の春に富山駅の工事が終わってその2系統が一体運行される、という告知(と工事)が駅に出ていた。つながるとまた富山駅の景色が変わりそうで気になる。

まとめ

運行会社もコンセプトも違う観光列車に1日で3つ乗るのはいろんな意味でおなかいっぱいという感じだったけど、終始わくわくする楽しい日だった。おいしい料理あり、心躍る内装あり、美しい景色ありと大満足。
北陸、特に富山には他にもいろんな列車が走っていて、城端線氷見線は観光列車も走っているということもあり、また機会を見て北陸に乗りに行こうと思っている。

*1:そういう余計なことをしなければ、一万三千尺物語 => 新幹線 => 花嫁のれんの乗り換えは現実的である、ということは付記しておきたい