マクロス7は好きですか、 Fire Bomber は好きですか。僕は大好きです。
"歌バサラ"こと福山芳樹さんのソロライブがあったので行ってきた。マクロスのライブではなくて福山さんソロの名義でのライブなんだけど、二部構成で後半部分は Fire Bomber の曲をやる!!という内容が予告されていて、これは行くしかないという気持ちで行ってきた。
明日はMAGIC TOUR
— 福山 芳樹 (@yoshikifukuyama) 2017年8月18日
練習もしたしSEも作った
バサラギターの調整もばっちりだ
予告通り
第一部 『LONDON MAGIC』全曲
第二部 FIREBOMBER 代表曲
アンコール 真赤な誓い
だ。
大阪よ、震えて待て!#マクロス7 #マクロス #jamproject pic.twitter.com/xg3jAa3jpS
第一部で福山さんのボーカリスト、ギタリストとしてのパフォーマンスに圧倒され、またMCのユーモアあるやりとりから覗える人柄にニッコリして、それだけでもとても良いライブだったんだけど、第二部で大好きな Fire Bomber の曲が続く中、自分の中のマクロス7好き、 Fire Bomber 好きの感情が爆発してほんとうに大満足のライブだった。
福山芳樹こんなに楽しくて許されるのかって感じだった 前半の時点ですごく楽しかったしクソ上手い〜〜〜〜なんだこれ〜〜〜〜って感じですごく良かったけど、後半マクロスはイントロダクションかかった瞬間からずっと満面の笑顔だった………
— じゅりあす (@ast_j) 2017年8月19日
ツアーはまだ東京公演を控えているのだけど、福山さん本人がほぼセットリストをバラしてるようなものなので(w)、以下ふつうに言及してしまおうと思う。見たくない人はご留意下さい。
第一部
福山さんのソロのライブを見に行くのは初めてで、2年前にJAM Projectとしてのライブを見に行ったくらい。もちろん歌がべらぼうに上手いことも知っていて、ギターもうまいことも知ってるつもりだった。
けど、というかやっぱりというか、生で見聞きした福山さんのパフォーマンスは歌もギターもめちゃめちゃかっこよくて衝撃を受けたし、惚れ惚れしてしまった。MCでの語り口はユーモア溢れてにこやかな雰囲気なだけに、かっこいい歌やギターとのギャップでMCが明けて曲に入る度に毎回おおっ、となっていた気がする。どう形容したらいいのかなと少し考えていたのだけど、この日見た福山さんの姿はぼくにとってギターヒーロー、スーパースターだった。
GtVo の福山さんと F-BAND の Dr, Ba, Key による4ピースのライブだったのだけど、第一部のピアノバラード2曲(肘掛け椅子のひまわり と 三本脚の蜘蛛)では福山さんはなんとピアノの弾き語りだった。この弾き語り前にはピアノを弾くのをすごく緊張すると語っていて、実際すごく緊張していそうに見えて、直前までの自信満々のギターヒーローの姿を思うと微笑ましい感じがしておもしろかった。実際のところ弾き語りそのものはそつなくこなしていたとは思うのだけど、やっぱりその後の曲でギターボーカルに戻った時の生き生きとした姿を見ると、こちらが本業(?)なのだよなあという妙な納得感じみたものもあった。
LONDON MAGIC の収録曲は世界各地のいろんな地を舞台にした曲だったのだけど、それぞれの曲について丁寧に MC で解説していたところには、まだ発売されて日が浅いアルバム収録曲を丁寧に伝えようとする福山さんの気持ちが出てたのではないかなぁ、と思ったりもした。僕のように Fire Bomber は好きでもアーティスト福山芳樹にあまり明るくなくて予習できていない*1ファンのことも考えてくれていたのかもしれない。サービス精神旺盛なトークでうっかり曲のイメージを変えてしまいそうなところもあったけどw
第二部
冒頭にも書いたように、第一部だけでもカッコいいロックヒーローの福山さんのライブとしてすごく良かった。良かったのだけど、第二部のマクロス曲は第一部とベクトルの違う方向から僕の心に直接グサグサ刺さる夢のような時間だった。第一部は音楽好き、あるいは趣味バンドマンのはしくれである僕がライブを楽しんでいたのだけど、第二部はそれよりさらに大きく、アニメとアニソンが好きでマクロスが好きで Fire Bomber が好きで、学生時代何度も何度も聞いていた曲を生で聞けた喜びが身を包んでいた。
第二部の直前にステージの真ん中にバサラギターが置かれてスポットライトが当たっている光景だけでもなかなか来る物があったのだけど、第二部の最初はまさかの INTRODUCTION !まさに劇中の Fire Bomber のライブが始まらんとするこのインストだけでいきなり心をガシッと掴まれてしまった。
そして福山さんが入場してきて 突撃ラブハート、 HOLY LONELY LIGHT といきなりぶちかまされる訳である。(当たり前といえば当たり前なんだけど)"歌バサラ"そのものの力強い歌声、何回聞いたか分からないメロディ。福山さんと F-BAND の生演奏。視覚的には福山さんはバサラじゃないんだけど、まさにロックスターの福山さんのパフォーマンスと歌声がCDで聞いてきたバサラの歌声と重なることを通して、まるで熱気バサラのライブにいるのではないかという気分にもなってくる。今実際に自分が立っている梅田のライブハウスでの福山芳樹さんのライブと、どこか宇宙(貧困な想像力)でのライブハウスでの熱気バサラのライブの重なり合った物を見ているような、ふしぎな感覚だった。MCになって福山さんが喋っていると地上に立ってる実感があるんだけど、曲になるとまた地上ではないどこかにいるような気がしてくる。第一部が LONDON MAGIC で地球上のあちこちを舞台にしたから尚更そう思ったのかもしれない。
その感覚が一番強かったのは PLANET DANCE の始まった瞬間と、MY SOUL FOR YOU を歌い上げる福山さんと見た時だと思う。それぞれ理由は別々。
PLANET DANCE は、僕が一番よく聞いていたのは綺麗な(?)スタジオ盤そのものではなくて、"戦闘中にバサラが乱入してきて歌う"というシチュエーションの GALAXY FIGHT Version だった。なので、この曲が始まった瞬間こちらのバージョンの戦闘中の音声がふとよぎって、そこで僕の感覚は宇宙に飛ばされてしまったのだと思う。物理的には梅田のライブハウスにいるはずなんだけど、ステージの黒い背景の向こう側がバルキリーの飛ぶ宇宙空間であるような、そんなあり得ないことを思ってしまった。
MY SOUL FOR YOU はきっともっと単純だと思う。直前の MC で、宇宙で歌うとはどんなことか考えながら書いた雄大な歌だ、というようなことを福山さんが言っていて、歌い上げる福山さんの姿を見てその言葉がフラッシュバックしていたのだと思う。ライブハウスの外どころではなく、今度は黒い背景そのものが宇宙ではないかというような錯覚が一瞬脳裏を走った。
アニソンのライブなどで劇中のシーンをステージ背後のスクリーンに映し出して作品とステージの一体感を図る演出はまあまあよくあって、それ自体は好きなんだけど、見てる人間の心象世界とステージがその人の中で結び付くということ自体に必ずしも演出は要らないのだということを思わされた瞬間だった。
「第一部」「第二部」と銘打ったからには Fire Bomber の曲もそれなりの数をやってくれるのだろうと期待して見に行ったのだけれど、実際第一部の全10曲に対して第二部も10曲(+INTRODUCTION)と大ボリュームで、どんどん Fire Bomber の曲ばかりが出てくるということもまた本当に幸せだった。記憶を頼りに思い出すと、第二部は多分こういう感じ:
- INTRODUCTION
- 突撃ラブハート
- HOLY LONELY LIGHT
- PLANET DANCE
- SUBMARINE STREET
- REMEMBER 16
- MY SOUL FOR YOU
- TRY AGAIN
- DYNAMITE EXPLOSION
- 1.2.3.4.5.6.7 NIGHTS
- ANGEL VOICE
最初の代表曲連発は良かったし、勢いある曲だけでなく SUBMARINE STREET や REMEMBER 16 、 MY SOUL FOR YOU といったゆったりした曲が聞けたのも幸せだった。「自分の歌う箇所が少なくて良かった」と冗談めかして言う TRY AGAIN 、 DYNAMITE EXPLOSION 、 1.2.3.4.5.6.7 NIGHTS の流れはあっという間に喉が枯れてしまったけどたくさん声を上げた。そもそも 1.2.3.4.5.6.7 NIGHTS あたりは聞けたらいいなくらいしか思ってなかったのでそれも嬉しかった。
アンコール、そして振り返って
アンコールの曲すら予告されてたのは完全に面白事案だけど、その予告通り真っ赤な誓い。もう声出ませんってという感じでもこの曲は叫ばないといけない。そしてそのまま 猫に聞け と、福山王国の歌("1192作ろう福山王国"であってるのかな…)。間に休憩(や福山さんの手品コーナー!)を挟んでいたとはいえ3時間近いライブはほんとうに大満足で、夢のような時間だった。
1年前のアニサマの感想で、ポケモン、ガンダムSEED、マクロスFといった懐かしいアニソンをライブで聞けたことについてこういうことを書いていた。
ぼくの近年のアニソンライブや声優ライブに行きまくる生活の中で好きになった曲は沢山あるのだけれど、そうやって出会った曲と、それより前の人生で好きになった曲というのは頭の中の引き出しが違う場所にあるようで、「それより前」で好きになった曲をこれだけ聞けるライブというのはすごい幸せだったと思う。
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今回のマクロス7の曲で感じた幸せもこの時書いた幸せと同じ部類のものだと思う。言ってしまえば懐メロみたいな文脈なのでそれでいいのかという気もするけどそれでよくて、自分の中にある好きの体験をライブの場で記憶の底から一気に掘り出して爆発させる幸せは、新しい曲に心躍らせる幸せとまた別個のだいじな幸せだった。
ここまでばーっと感想を書いてから改めて振り返ると、"ギターヒーロー""ロックスター"の福山さんのナマのライブが、すぐ目の前にあったことを改めて思い出す。福山さんのパワーいっぱいのボーカルを受け止めるにはもしかしたら足りないかもしれないくらいの数百人のライブハウスで、ギターを弾き、歌い、そして喋る福山さんを克明に見ることができたのはすごく幸せな体験だった。
そういえばライブ後の写真をよく見ると僕がいます。上手側。
MAGIC TOUR初日大阪。自分で感動するくらい最高のライブになりました。みんなのおかげです。ありがとうございました。 pic.twitter.com/GUw9uR3rVl
— 福山 芳樹 (@yoshikifukuyama) 2017年8月19日
*1:事前にアルバム買おうと思ってたけどオフィシャル通販しかなくてスケジュール的に間に合わなかった…… 終わった後買った。