5/12と13にあったバンドリ5thライブに行ってきた。初日は Poppin'Party 、2日目は Roselia のワンマンライブ(+オープニングアクト)で、それぞれのバンド/ライブコンセプトが鮮やかに描き出された2日間だった。
楽日かつ話題性の高かった2日目のことが語られがちだけど、昨年8月の日本武道館での4thライブ以来のPoppin'Party の単独ライブだった1日目のことも忘れてはいけない。Poppin'Party が積み重ねてきた関係性とパフォーマンスから産まれる、ライブの名前通りハッピーと笑顔が溢れた素敵なライブだった。
2日目を含めてセットリストや発表情報などはこの辺にまとまっている。コンテンツとして読む感じではないけれど、セットリストなどの資料としてあわせてどうぞ。
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【5th☆LIVE Day1終了!】
— BanG Dream!(バンドリ!)公式 (@bang_dream_info) 2018年5月12日
Poppin'PartyのHAPPY PARTY 2018!が終了‼️
Poppin'Partyと一緒に魅惑の無敵のShowtimeを楽しんでいただけましたかー?🌈✨
みんなに出会えた記念日の今日にHAPPYを感じていただけていたら幸いです💓
またLiveでお会いしましょうね🎶
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オープニングアクト
今回、1日目も2日目も開演前に THE THIRD(仮)によるオープニングアクトがあった。THE THIRD とは、みたいな話は自分の過去記事に紹介を譲る。
バンドリこと BanG Dream! では劇中のキャラクターのバンドの楽曲を実際に声優さんが演奏するリアルバンドが Poppin'Party と Roselia のふたつあり、どちらも精力的にライブをしている。一方で劇中の全てのキャラクターバンドに対応するリアルバンドがある訳ではない。今年の1月のライブイベント"ガルパライブ"では Poppin'Party と Roselia 以外のバンドの曲も歌われたのだけど、その時には女性アーティストや声優さんによるバックバンドが演奏した。そのバックバンドメンバーによって結成されたバンドリみっつめのリアルバンドが THE THIRD(仮)というバンド。
THE THIRD(仮)1st ライブに行ってきた - 平常運転
オープニングアクトがメインアクト開演までの30分ほどしかなく、転換を考えると1曲2曲なのではと思っていたのだけど、ショートサイズ1曲を含めたガルパ曲のカバー3曲とオリジナル曲の R.I.O.T の合計4曲と、時間の限りボリュームを詰め込んだ豪華なセットリストだった。2日間で曲を入れ替えつつガルパの3バンド、アニメの Glitter Green 、そして THE THIRD 自身のオリジナル曲を披露したのは、今回のライブ全体がバンドリというコンテンツ全体としての5thライブという冠であることに対するコントリビュートという側面もあったのかなぁと思ったりした。
倉知さんがリズムに合わせてジャンプしたり観客を煽る様子、夏芽さんのドラムを叩く様子などの、1st ライブではあまりよく見れなかった光景がよく見えたのもよかったし、 RAYCHALL さんは相変わらず格好良い。また、 THE THIRD としては初披露曲なく既存曲だけだったけれど、 1st ライブで加入した小原さんがギターを弾いてる所は初めて見る曲も沢山あったので、そのパフォーマンスも目と耳に収めることが出来てよかった。
THE THIRD はバンドリのカバー曲をやって楽しいという側面も勿論あるし、メンバーの演奏力/パフォーマンス力もまたおおきな魅力で、オリジナル曲 R.I.O.T の威力を含めて、会場の大多数を占めていた、初めてライブで THE THIRD を目にした人たちにも魅力が伝わったんじゃないかなーと思う。ゲストに前島さんの参加も発表された 2nd ライブもまた楽しみ。
ティアドロップス / 走り始めたばかりのキミに
オープニングアクトが終わった後ステージ上の転換で開演まで少し時間があるのかなと思っていたのだけれど、メインステージの幕の前でパフォーマンスしていた THE THIRD のみなさんは機材ごとすーっと横にハケていって、息つく間もなく Poppin'Party のライブが始まった。 HAPPY PARTY なんて名前がついているから楽しい曲で始まるのかと思っていたけど、1曲目はまさかのティアドロップス。格好いい曲での始まりにいきなりテンションをぶち上げさせられてしまった。今回(また)下手側のまあまあ前の方だったので西本さんがよく見える席だったのだけれど、この曲の西本さんの格好いい弾き様はやっぱり良いなぁという気持ちになっていた。
また、そこからは愛美さんのアカペラ始まりで 走り始めたばかりのキミに に続いたのにもびっくりで、2曲連続で驚かされてしまった。はしきみは(アコースティックではなく)バンド演奏のライブ披露は多分 3rd ライブ以来なので久々に聞けてとても良かった。アップテンポな曲が多い中ミディアムテンポなこの曲は、 Poppin'Party らしい楽器サウンドをじっくり味わえるという意味でもある種のライブ映えがする曲だと思っている。ソロ回しもあるしね。
開幕からこの時点までですでに感じていたことなんだけれど、今回のライブでは、これまでのライブで感じてきた"Poppin'Party のライブのバンドサウンド"がパワーアップして帰ってきたなということを思っていた。分かりやすいところで言うとたとえばゴリゴリイケイケの西本さんのベースサウンドとかが目立つのだけれど、リアルバンド Poppin'Party らしい、生の楽器の息吹をしっかり感じられるバンドサウンドを存分に味わった気持ちになっていた。
メンバー紹介の楽器フレーズは Yes! BanG_Dream! のコード進行やフレーズに則っていたので、てっきりそこからイエバンなのかと思ったけれど、意外とそんなことがなかったのにはちょっと笑わされてしまった。どちらかというと、イエバン成分をここで披露しておいたという感じなんだろうか。そういえば、大橋さんはドラムを叩きながら歌うためにこれまではヘッドセットマイクを装着していたのだけど、今回はふつうのマイクをドラムセットに固定していた。あれはあれで時々姿勢にちょっと苦労してそうだったけれど、これまでのライブで声が上手く入らなかったりしたのを思えばずっと良い選択だったのだろう。
ライブとアニメと STAR BEAT
アニメ/ガルパ開始後のライブでは、ライブによってガルパ中心だったりアニメ中心にセットリストを組み立てることがあった。 3rd ライブではガルパ、 4th ライブではアニメの文脈を踏まえたセットリストだったと思う。
アニメ放送が始まってからのライブなのでもっとアニメの流れを踏まえたライブになるかと思ったけどあまりそういう流れでなかったのは少し意外*2。カバー曲の Alchemy の披露や Roselia など、どちらかといえばガルパとの繋がりの方が押し出されてた感じがある。
BanG Dream! 3rd☆LIVE Sparklin’ PARTY 2017! に行ってきた - 平常運転
そして逆に、今回はアニメの放送が終わっていて、リアルタイムで展開してるのはガルパの方だったのでガルパを中心にするのかな……と思っていた。しかしよくよく考えると、アニメOPのときめきエクスペリエンスで始め、前半の挿入歌を並べ、前へススメ!と夢みるSunflowerで本編を締め、アンコールも八月のifからアニメEDのキラキラだとか夢だとか……と、要所要所は全部アニメの曲で押さえていたライブだった。勿論全てがアニメフィーチャーだった訳ではないけど。これまでライブで演奏を重ねてきた曲たちは、アニメ挿入歌になったスタビ以外はショートバージョンかアコースティックアレンジで演奏していたところからも、メインのフォーカスがアニメにあったということなんだろう*2。
BanG Dream! 4th☆LIVE Miracle PARTY 2017! at 日本武道館 に行ってきた - 平常運転
で、アニメ放送からも月日が経った今回のライブではあまりアニメ色は強くならないのかと思っていたけれど、アニメ曲もきっちりメドレーで回収されたのは義理堅いというか良かった。そういえば、これまでライブの定番曲だった STAR BEAT も、今回はこのメドレーでのショートサイズとアコースティックだけだったのには(ライブが終わってから)ちょっとびっくりした。スタビ初披露の旧 2nd ライブ以来バンドリを追いかけてきた身としてはバンドリのライブといえば常にスタビとともにあるくらいの気持ちだったので、逆に少し新鮮な気持ちになったところもある。
幕間映像とライブの主役
今回、アコースティック前後とアンコール前の計3回で転換のために映像上映が入ったと記憶している。キャスト、つまりリアルバンドの方の Poppin'Party メンバーが登場する幕間映像を挟むこと自体はもうお馴染みだけれど、メンバー1人ずつの企画映像でそれぞれの趣味や特技を掘り下げる今回の映像は、バンドリのキャラクターキャストとしてだけではなくメンバー個々人としてのパーソナリティを取り上げているという意味で、リアルバンドの Poppin'Party を今まで以上にライブの主役に据える映像だなぁ、とも思った。 この辺りは、ライブ本編をキャラクターのライブとして走りきった翌日の Roselia との印象的な対比だったかもしれない。
というかしこまった話は別にして、それぞれどの映像も見所があってよかった。関東各地で弾き語りをした大塚さんは最後に涙ホロリの良い話あり、殺陣の稽古を受ける西本さんや筋トレの指導を受ける大橋さんもおもしろかったし、夏色〜 に合わせてのダンスを教わる伊藤さんの映像では、ダンスの先生が最初に踊って見せたキレキレの踊りに大爆笑してしまった。アンコール前の最後の愛美さんの映像の話は流れの都合上あとでします。
アコースティック
Poppin'Party のライブで定番でもあるアコースティックコーナーは今回もきっちり中盤に登場した。
セクシー2こと愛美さんと大塚さんのアコギデュオ(+同期音源のカホン)で代わる代わるメインボーカルを取っての Time Lapse は聞き応えがあった。ベイビー3こと伊藤さん西本さん大橋さんの Yes! BanG_Dream! も、ベースがメインリフを引っ張る構成といい気持ちよかったんだけど、この曲はスティックで叩いてタンバリンを破壊した大橋さんが笑いを持っていったところの印象が強いかもしれないw
(個人的)HAPPY PARTY の真髄
アコースティックコーナーの後は、大橋さんもステージ前方に出てきてタンバリンを叩き、メンバー5人がステージ上に横に並んでのパフォーマンスだった。このフォーメーション(?)でキラキラだとか夢だとか ~Sing Girls~と夏空 SUN! SUN! SEVEN! の2曲を演奏したのだけど、このフォーメーションでの特にキラキラ〜のパフォーマンスに、この日一番の"HAPPY"を感じて非常に幸せになってしまった。5人並んで左右に揺れたり合いの手に合わせたりしながら演奏している5人が本当に楽しそうで、リアルバンドの Poppin'Party と、そしてキャラクターバンドの Poppin'Party のそれぞれ5人のハッピーが溢れ出ていたと思う。楽曲の楽しさも勿論あるんだけれどそれだけではないこのハッピーさは、 Poppin'Party のライブに何度も足を運んできた中でも一番の感覚だった。
そういったハッピーさに加えて、幕間映像を踏まえて大橋さんが曲中に手持ちのダンベルを持って見たり、西本さんが伊藤さんと楽器を武器に見立てて殺陣っぽく動いてみたり、はたまた伊藤さんが夏色〜で前述のダンスを披露したりと、バラエティ的な楽しさも詰まっていたのも尚のこと見ていての楽しさを増したのかもしれない。
そんな2曲の後は八月のif、夏のドーン!と、夏がテーマの曲が続いて、旧 3rd ライブ "夏だ!バンおドリ!" のライブTシャツを着てきた友人は大喜びしていた。まあそれはどうでもいい。八月のif は大橋さんと愛美さんのハーモニーが素敵な曲だけど、よく見ると大塚さんもコーラスをしている、というのが今回気付いた発見だった気がする。夏のドーン!はCDが出てから結構日が経ってのライブ初披露な上にタオル曲ということで、テンションが上がる要素大盛りというのもあって楽しかった。〜ドーンは結構ギリギリまでライブでやらなさそうに思ってたんだけれど、ライブ前日発売だったギターマガジンの特集で愛美さんと大塚さんがこの曲の演奏について触れていて、「もしや……」と期待しながらライブを迎えただけに、期待が当たった爽快感みたいなのがあったのも些細ながら忘れられない。
本編最後は最新シングルの CiRCLING で楽しく輪を作って〆。アンコールありきの"最後"と分かっていても、その〆のこの曲もまた、 HAPPY PARTY にぴったりのハッピーな曲ですごく楽しかった。
エモ一点突破からのアンコール
……と、本編はとにかくハッピーだったんだけれど、幕間映像の"残り1人"の愛美さんの映像を挟んでのアンコールはエモいというか泣き曲の Light Delight 。幕間映像も、最初はバラエティっぽい流れだったんだけど、各メンバーから愛美さん宛の手紙を渡された愛美さんが読んで感極まる、という流れの映像だったので、Light Delight に至るこの部分に、大塚さんのブログの言葉を借りれば、ポピパの「エモ」が集約されていた。
今回はHAPPY PARTYだったので、
ポピパのハピパ!セトリ&エピソード ♪ | 大塚紗英オフィシャルブログ「おやすmistyの前に」Powered by Ameba
ポピパの「エモ」が、この1点に集約。Light Delight!
CD 発売時のインタビューなんかで愛美さんが、最初は途中で歌えなくなるくらいこの曲の歌詞で泣いた、と語っていたのだけれど、ライブではむしろ両脇を固める大塚さんと西本さんが感情をたくさん込めて演奏しているところが印象的だった。特に西本さんがサビで泣き顔で演奏している姿は鮮烈で、ステージ上のエモいバンドマンの姿としてめちゃめちゃ美しい絵だったと思う。
ライブと言えばお馴染みのコンテンツの告知もあったんだけど、何よりビッグニュースはアニメの放送情報だろう。間が悪くアニサマの公式ページで2019年にアニメ続編があるとバラされてしまった後とはいえ*1、スピンオフアニメあり、2期だけでなく3期もあり、キービジュアルには Poppin'Party 以外のメンバーも登場!というのはインパクト抜群で、愛美さんが MC で「知っちゃってるかもしれないけどそれよりすごいですよ」みたいな前置きをつけて発表したのも頷けるという感じだった。
拡散希望。バンドリ5THライブ。展示と物販コーナーの3ホールは入場無料でチケット無しでも入れます。他のイベントにご来場の皆様も是非遊びに来てください。え、アニサマのHPで何か出た?皆さん、見なかった事にしましょう!!!貴方は覚えてなーい!!
— 木谷高明 (@kidanit) 2018年5月11日
そしてライブの本当に最後は、ライブタイトルにもなっている勿論この曲!という Happy Happy Party! 。ガルパライブが初かつ唯一のライブ披露だったので、 Poppin'Party の単独ライブでは意外とここが初出しだった。曲名通り、そしてライブタイトル通りの楽しい楽しい曲で、最後まできっちりハッピーな余韻を残して終わる素敵なライブだった。
ふりかえり
けっこうしつこく本文に書いたけれど、タイトル通りほんとうにハッピーなライブだった。バンドリ的な語彙で言うと"キラキラドキドキ"と近しいかもしれないけど、今回はそれよりもやっぱり"ハッピー"という方がしっくり来る気がしている。
4thライブが成長の転機になったというメンバーのコメントを各種メディアでよく目にしてきていたし、実際に最近のライブやイベントでもパフォーマンスやチーム仲の変化・深化を感じていて、なので今回どういうライブになるのかは楽しみにしていた。実際新しい曲も増え、パフォーマンスもレベルアップしていたけれど、それだけではなく、武道館ライブを経た Poppin'Party メンバーどうしの関係性だからこそ、今回のハッピーなライブになり得たんじゃないかなぁと、ライブから少し経って振り返りながら思っている。
そういうことや幕間映像の流れなんかを踏まえて思い返すと、3rdライブでガルパ、4thライブでアニメときたライブごとのフィーチャー要素は、今回はリアルバンドの Poppin'Party のメンバーだったのかなぁと思っている。
アニメが終わり、大きな区切りである武道館ライブが終わったあとの Poppin'Party がどこを目指すのか向かうのかというのは、 4th ライブの後時々思いを馳せていたのだけれど、今回コンテンツ的な看板やマイルストーンというよりはリアルバンドそのものをフィーチャーしてこれだけ楽しいライブを見せてもらって、過去の自分は要らぬ心配をしていたなぁという気持ちになった。その上にコンテンツもアニメ2期3期という新しいマイルストーンが見えてきた訳である。勿論アニメそのものも楽しみにしているし、アニメを切っ掛けにバンドリの世界や楽曲が広がっていくのも嬉しい。ライブハウスでチケット代3000円のライブを見ていた頃から思うと隔世の感もあるけれど、改めてこの先も楽しみになった。
余談
余談そのいち。この日、会場の幕張メッセのすぐ横の千葉マリンで他のイベントもやっていて、ちょうど終了のタイミングで向こうも終わったらしく、退場中に球場から花火が上がっていた。ライブで夏のドーン!をやった後だけに、リアルドーン!だ、と喜んでいたのもいい思い出。
余談そのに。今回のライブ直前でガルパのイベントストーリー2章が公開されて新曲(二重の虹)がゲーム内でお披露目されていて、一応聞き込んで来てはいたけれど、直前にクインティプル☆すまいるをゲームで公開したのに(曲とイベント的によくマッチしてるはずの)ガルパライブで歌われなかったことを踏まえてあまり期待せずにいたところ、幸か不幸かその読みは当たることになった。ライブ前で新曲公開されるとライブに備えて慌てて聞き込むことになるので、ライブで披露するつもりがないならできればやめてほしいような……というのは思わないでもないw
余談そのさん。ここまでバンドリ、そして Poppin'Party のライブの大事なファクターだったカバー曲が今回1曲もなかったのには驚いた。4thライブのときも意地のように新曲を入れていたから続ける物だと思っていたけれど。まあオリジナル曲だけで1回のライブに全然収まらないほどの持ち曲があるからカバー曲なしで成立する、と言われればそうなのだけれど、一抹の寂しい思いがあったのは否定しない。ガルパでもどんどんカバー増えてるしね。