見た。タイトルは「I wonder where I find the light I shine」。未央回のようでいて実際はプロデューサー回であり、視聴後に印象的なのも未央よりは凛の心情の吐露であったり、卯月の価値観だったかもしれない。
けれどももちろん、今回の話を雑に一言に総括すると「よかった」になるんだと思う。(まぁメタ的にはあり得ないんだけど)未央がアイドルやめることもせず、プロデューサーが苦にしてやめてしまったりもせず、もう一度シンデレラプロジェクトの面々とプロデューサーのみんなで頑張っていこう、という再スタートできたのは本当によかったという言葉に尽きると思う。
未央は結局何に打ちのめされていたんだろうと考える。
7話でプロデューサーからも言われたように、新人アイドルのデビューシングル発売イベントであの客入りなのは失敗でも何でもないんだけれど、そういう基準を知らなければアイドルのライブ=3話の美嘉姉のライブ、と想像してしまうのは無理のないことだと思う。7話の未央の台詞をちゃんと聞くと分かるんだけど、未央は想像よりお客さんが少なかったことそのものよりも、自分がリーダーとして臨んだライブを失敗させてしまったことの方にショックを受けている。だから、客入りは未央の思ったほどではなくてもお客さんのいい笑顔が見れたから成功だ、とプロデューサーに諭されれば納得できるし、それが分かった時点で彼女の中でアイドルやりたくないという考え方ではなくなっている、ということなんだと思う。(アイドルやりたくないんだったらプロジェクトに戻る必要もないので、みんなに合わせる顔がないなんて思いませんよね)
勿論お客さんが少なかったことにもショックを受けているだろうし、お客さんが沢山来る、お客さんがドッカンドッカン盛り上げてくれる、と思っての発言が目立っていたから勘違いしがちだけど、一番の本質は失敗したということ自体なんだというのが、なるほどという感じでもあるし、僕自身見誤っていた節があってそうだったのかーという気分だった。
プロデューサーについては、部長の昔話で語られたようにアイドルと距離を置く立ち位置からの変化があったんだけど、この7話の間の転機は2回あったと思う。
1回目は凛に逃げてるんじゃないの、信じれると思ったのに、と言われたところで、ここでようやくラブライカにライブの時どう思ったか尋ねてみたり、風邪で寝込んでいる卯月の様子を見に行ったりする。未央と凛が相次いで去って行くところで過去の失敗を思い出してこのままではいけない、と少し動き始めたように見えて、1回目の転機だったのではと思う。
2回目は卯月と話した後だけれども、ここについて僕はをどう解釈したら良いのか、これだというのが定まらずにいる。こんな中でも変わらず自分に信頼を寄せる卯月の期待に応えたかった、というのはありそうに思うけど、本当にそれなの?とまだ少し腑に落ちない感じもある。笑顔に元気をもらった、みたいなのもそれはそれでありそうだけれど、そういう陳腐な言語化をしてしまうと途端にプロデューサーの行動が安っぽく見えてしまって、個人的にはあまりそういう解釈をしたくないような気もしている。とはいえまぁ笑顔なんだよなー、あの笑顔だよなー。
その卯月は今回、悩めるプロデューサーを導くポジションだったんだけど、未央が来なくなった状況下で前回のライブの心残りに笑顔を保てなかったことを挙げたり、これからどうしたいとの問いに未央の心配より先に自分のアイドルとしての活動を挙げたりと、前向きさと心の強さがすごく印象的だった。前後のシーンをよく辿れば未央のことはずっと心配していて風邪でダウンする前の日にはメールを何度も送っているし、次のライブも未央、凛と3人でと言っていて、決して未央のことをどうでもいいと思っている訳では無いんだけど、それでもなお一番に考えていることは自分がアイドルでいる、笑顔でいる、というところだというのはすごいブレない強さがあるなぁ、と思った。
ただ、卯月のアイドルとしてこうしたい、というのは「自分がこうありたい」であって、お客さんに笑顔を届ける、とか喜ばせる、というところよりも自分がアイドルであること自体を志向しているように見えて、そこにちょっと今後の心配みたいなのは感じなくもない。今回卯月に助けられたプロデューサーには頑張ってほしいな〜という気がする。
なんとなく凛はこれまですごい自律的なイメージがあったんだけど、本当はすごく不安で、信頼できる大人というロールをプロデューサーに求めていたんだなぁということが分かる。NGの他の2人と違ってスカウトでよく分からないまま連れてこられた訳だし、道標を求めるのも言われてみればそうだよなぁ、という気がする。それを踏まえて振り返ると、6話でリーダーの未央に同調するポジションだったのも道標として未央に頼ってた側面があったのかもしれないし、未央の一緒にアイドルやりたい、という言葉に素直に返せなかったのも信頼して良いのか分からないという表れかなぁ。
ともあれ、未央も凛もシンデレラプロジェクトに無事戻ってきたのは本当にめでたい。最後のシーンで3人でステージの階段を1段上ったように、ここからもう一度一歩ずつ、という感じになるんだろうか。今後も期待しているし、6話では見れなかったNG新曲のライブシーンもどこかで見たい。
雑多な話
冒頭。「当然?」「ひどいよ?なんで?」「私がリーダーだから」
未央の部屋。よく見るとルービックキューブがある。だからなんだ、という気はするけど3話を思い出す。
プロデューサーに「あなた一人の問題ではない」と言われて「そんなの分かってるよ」と返す未央。自分のせいでユニット(プロジェクトも、かな)に迷惑をかけてることは分かってるし、そこで「知らない」と言わない言えないあたりが未央の責任感なんだと思う。
前半の彩度の低さ、何かガラスが割れたのを踏んだシーン、天候の変化。イメージ演出的なのが今回は目立つ。
凛からも莉嘉からもプロデューサーが何を考えてるのか分からないと言われてしまうの、ここまでの振る舞いは確かにそうだよねぇという気はする。
凛に手厳しく言われて、ようやく「何を思ったか」を聞き始める。ラブライカにも聞くし、卯月にも聞きに行く。
卯月の家の中、部屋の中は彩度があって明るい。後のシーンで出てくるけど、卯月にとっては凛や未央、プロデューサーのような深刻な事態ではないという示唆的な描写。
島村家で多々買いされているNGのデビューCD。
卯月の口からやりたかったこと、できたことが色々出てくる。1話で最初にプロデューサーにいつできるのか、と尋ねたことが実はどんどんできてしまっている。
ステージで笑顔を保てなかったことが心残りだと語る卯月。ここがすごい。凛のことは知らないにしても未央がアイドルやめる、とまで言ってしまったのに、それを差し置いて心残りに笑顔を挙げてしまうところに卯月のぶれなさがあると思う。かといって未央を切り捨てるというわけでもなくて、次は凛と未央と3人で、と言えちゃうところがすごい。
ここで卯月の熱気にあてられて(?)プロデューサーが走り出すけど、どこに思うところがあったのか。笑顔なのか。前向きさなのか。凛と未央と3人で、というところなのか。
部長の昔話。プロデューサーの過去はなんとなく想像していた通りかなーという感じ。
未央のスマホ宛の卯月のメッセージをよく見ると結構切実なトーンで、それ自体はそりゃそうかという感じなんだけど、このメッセージを送った島村卯月がプロデューサーに対してああいう笑顔をできるのか、すごいな、という気がする。
みく達からすれば5話であれだけ悶着あってようやく信じて待とう、という流れになった矢先にこの騒動なのだから、不安なのも無理ない。
このタイミングでもまだ「リーダー失格だよ」と言うのが口をつく未央。
外で雨に打たれているプロデューサーを見かけたときの「やめるって言ったのに」と、いざプロデューサーと相対したときの「やめるって言ったよ」のトーンの差。
お客さんの数しか見ていなくて失敗だと思ったとか、その勘違いでステージごと壊してしまったとか、逃げ出してしまったとか、リーダーなのに全然ダメじゃん、とか、未央とプロデューサーとの会話で決定的なピースが沢山出てくる。
「だからこそ」「このままではいけないと思います」
未央が凛の前で「ごめん」を言うまでに躊躇うところが、どんな顔して戻ったら良いかわからないって表れか。
プロデューサーの手を取るのを躊躇う凛の手を取る未央。「私も頑張るから頑張ろうよ、お願い」ってところだろうか。
2人がプロジェクトに戻ってくるところでプロジェクトメンバーが全員初期衣装に戻っているのが再スタート感があって良い演出。
丁寧口調やめてみない、と言われてかなり苦しそうなプロデューサーだけど、確かになかなか想像はつかないw
ラストシーン。ステージの前に並んだ3人のうち、卯月だけは笑顔。ブレないところがよい。もう一度フライドチキンのかけ声でステップを3人で一歩上る。今度は一気に飛び出すのではなく階段を一段、というのも示唆的な意味合いかもしれない。
次週は振り返り的な特別番組なので気負わず見れそう。プロデューサー役の武内さんがテレビ出演するのはちょっと見物ですね。